「ランボー 最後の戦場」感想(劇場)
「ランボー 最後の戦場」感想(劇場)
(RAMBO)
(08年05月25日 TOHOシネマズ梅田・シアター3)
(監督)シルヴェスター・スタローン
(出演)シルヴェスター・スタローン ジュリー・ベンツ ポール・シュルツ マシュー・マースデン
面白度:4点/10点
お薦め度2点/10点
シルヴェスター・スタローンのハマり役「ランボー」の最新作「ランボー 最後の戦場」を観てきました。
まず感想の前に、この映画には「プライベート・ライアン」(SAVING PRIVATE RYAN:1998)なみに非常に血なまぐさくてエグいシーンが連続しますので、その手のシーンが苦手な人は用心した方が良いでしょう。
あまり期待せずに観に行ったので、ガッカリする事は無かったですね(^_^;)
面白度は4点ですが、点数ほどは不満感は少ない作品でした。
でも、あまりにもストーリーがシンプルでひねりが無いし、アクション・シーンも僕の見たかったランボーの得意技の連発ではなく、ラストは傍若無人にマシンガンを連発しまくるだけの能天気な終わり方だったので、4点にせざるを得ませんでした。
ストーリーが単純なのとエグい描写の連発だったので、お薦め度は最低に近い2点としました。
ホント、ストーリーは単純で一本調子でしたね(^_^;)
熱帯雨林を舞台にして、捕虜になった仲間を救出に向かうってパターンは、まさに2作目の「ランボー/怒りの脱出」(RAMBO: FIRST BLOOD PARTⅡ:1985)そのものなのですが、面白さと内容の濃さは、あの作品の半分以下、三分の一程度と思えばいいでしょう。
規模としても、超大作では全く無く完璧にB級映画であり、その程度だとわきまえて観れば、そこそこ楽しめるのでは?と思いますが、期待すると大失敗になるでしょう。
ホント、日本ではスタローンの最新作って事で、けっこう大きく取り上げられていますし、僕が観た映画館もTOHOシネマズ梅田の中でもベスト3の大きいスクリーンだったのですが、内容的には半分くらいの規模のスクリーンでも十分な作品であったと思います。
ちょっと、大騒ぎしすぎかな?と(^_^;)
これだったら、まだしも「ロッキー・ザ・ファイナル」(ROCKY BALBOA:2006)の方が、遥かに内容が濃くて面白い作品であったと思います。
ま、オープニングで懐かしいジェリー・ゴールドスミスのランボーのテーマ曲が流れたのには、一気に「ランボー」の世界に引き込まれる力がありましたね。
とにかく、全体を通じたしっかりしたテーマが感じられなくて、ランボーが再び戦場に馳せ参じるだけの情念の部分が観ているこちらに響いてこないのが最大の失敗だったのかもしれません。
あと、中盤以降の展開があまりにもシンプル過ぎるし、ラストに至っては元グリーン・ベレーで特殊技能満載のランボーが戦うにしては、マシンガンで撃ちまくるだけの、あまりにも荒っぽくて雑な戦いぶりだったので、シリーズ最新作としては不完全燃焼な感じは否めませんでした。
ただ、ラストの残虐な銃撃戦を描く事によって、紛争解決手段としての「武器」「暴力」が必要か否か?を問う問題定義的なものが感じられたのは、良かったと思います。
また、全体を通してザラついた感覚の映像は素晴らしく、これまでのシリーズとは別物の印象をあたえる質感でした。
邦題からすると、この作品が一応のシリーズ最終作となるようですし、エンディングの描写もそれを裏付ける感じがしますが、それが観ていて納得できるだけのドラマ展開、人間描写でなかったのも点数が低くなった理由です。
もう一方の「ロッキー・ザ・ファイナル」は、逆にその点に視点を集中してしっかりしたドラマ作りになっていましたからね。
※以下、ネタバレがあります。
この作品、「ランボー」(FIRST BLOOD:1982)「ランボー/怒りの脱出」(RAMBO: FIRST BLOOD PARTⅡ:1985)「ランボー3/怒りのアフガン」(RAMBO 3:1988)に続く、シルヴェスター・スタローンの当たり役「ランボー」シリーズの4作目にあたります。
前作から20年経っての新作公開って事で、同じくスタローンのもう一つの当たり役「ロッキー」シリーズの最新作「ロッキー・ザ・ファイナル」が、前作から16年ぶりで作られたのと似たような印象を受けます。
ちなみに「ロッキー・ザ・ファイナル」の原題が、主人公の名前「ロッキー・バルボア」であったのに対し、本作「ランボー 最後の戦場」のタイトル・バックが「ジョン・ランボー」となっていたのも、スタローンがそれぞれの作品を十年以上ぶりに製作し、本当の意味での最終作にしようとの意思が強く感じられました。
ちなみに本作の原題は、スクリーンのタイトルバックに映ったのは「ジョン・ランボー」でしたが、ネットで調べるとなぜか原題は「RAMBO」とだけなっていましたが(^_^;)
いずれにしろ、内容的には非常にシンプルで物足りなかったってのが正直な所でしょう。
アクション・シーンには、別の意味で非常に力が入っていて、近年でもスピルバーグの「プライベート・ライアン」以来か?と思うくらい、銃撃で吹っ飛んでバラバラになる体を「これでもか!」とばかりにエグくグロく描写しています(^_^;)
しかし、ストーリーに関してもアクション・シーンに関しても、「ランボー」のタイトルを冠する作品にしては非常に物足りないもので、シリーズ他作品にくべてせいぜい半分か三分の一程度の満腹感しかありませんでした。
個人的にはもっともっと、大規模に金をかけて派手にするか、あと30分は上映時間を延ばしてドラマをしっかりしたものにするか、して欲しかった気がします。
特に後半の展開が短すぎた気がします。
ストーリーに関しては、熱帯雨林を舞台として人質を救出する作戦を描くって点で、2作目の「ランボー/怒りの脱出」と非常に似た設定となっています。
実際、見た目の雰囲気などは全く一緒に感じられるのですが、描かれるドラマは「怒りの脱出」の半分以下、三分の一程度の薄っぺらさです。
普通なら、救出に向かったランボーが逆に捕まって拷問を受けるとか、脱出行の部分を2~3日の長さで描いて、その中で仲間が次第次第にやられていくってシーンも描くはずです。
ところが本作は、それら枝葉のストーリーを一切排除し、「助けに行く」「助ける」「逃げる」「敵を粉砕」「騎兵隊の到着でハッピー・エンド」の一本調子であっと言う間にストーリーが終わってしまいます(^_^;)
特にラスト、一気呵成にランボーがマシンガンで敵を粉砕しているんだが、次第次第に劣勢になって行ったその瞬間、山の稜線の向こうから反政府軍が大挙してやってきて、一気に政府軍を粉砕してしまうって終わり方は、あまりにもご都合主義すぎて、見ていて呆気に取られて笑いそうになってしまいました。
実際、上映時間が90分って事で、エンド・クレジットを除けば実質1時間ちょっとしかなかった感じなので、その上映時間で何が描けるんだ?って感じですね(-_-;)
そのシンプルさ以上に問題なのが、「なぜランボーは戦うのか?」ってモチベーションの部分の薄さです。
もちろん、捕虜となったサラって女性に感銘を受けた点があったので、彼女を救うって点に情熱があったのでしょうが、その理由ではすこし薄い感じがしました。
もっと情念の部分で「戦友を助ける為」とか「弾圧されている国民や少数民族を救う為」のような、観ていて共感できるランボーの胸のうちに燃え盛る熱い情念がキッチリ描かれていなかったので、どうにもドラマに深くハマる事が出来なかったのです。
過去3作どれもが、それぞれランボーが突き動かされる情念が大きくドラマの中心を貫いていたのですが、今回は、単に「助けに行く」事それ自体が目的となっているようにしか見えませんでした。
ただ、この映画では「武器が解決策になるのか?」って問題定義に対して、ある種の回答を出そうとしているのが一つのテーマになっていたのは良かったと思います。
ミャンマーで迫害されている人たちに医療品などを送る為に、キリスト教団がミャンマーに潜入するわけですが、そのボートの上でランボーとこの団体は対立し、「武器では何も解決しない」と言われてしまう。
ところが、ラストで大量の政府軍に包囲された中で、ランボーがマシンガンで銃撃しまくってなぎ倒していくシーンには、メチャクチャさを感じる反面、武器で解決する方法が「今、この目の前の現実」には唯一最大の解決策である事を明確に描いていたのです。
その乱戦の中、ランボーを批判していた教団の一人が襲ってきた兵士に対し、最後は岩を手に握って相手の頭をカチ割って殺してしまうシーンが、皮肉な結末で見事であったと思います。
ストーリーではもうひとつ、ランボーが最後に(おそらく)父親に会いに行くシーンで終わりを迎えているのもキー・ポイントであったと思います。
長らく田舎に帰っていなくて、父親にも会っていないと語るランボーに対して、サラが「会ってみたら」と薦めるシーンがあります。
結局、その言葉に感化されたのでしょうか、そして長らく戦ってきたあとにサラが仲間を抱きしめる姿を見て、人の繋がりの重要さを感じ入ったのか、ラスト・シーンでは父親の元へと向かう「変化した」ランボーが見られます。
このあたり、今回のミャンマーでの戦いをじっくりと描き、ランボーの心情にまで迫る深いドラマにしてあれば、このラストがシリーズ全ての最終章として非常に満足いくものだったろうになぁ、と思うのですが、いかんせんドラマが中途半端であったので、そこまでは至りませんでした。
次にアクション・シーンです。
個人的には「ランボー」シリーズの魅力って、ベトナム戦争当時にグリーン・ベレーの特殊部隊員としての経験を発揮して、たった一人で様々な罠や戦法を使って、敵を一人また一人と倒していく姿が魅力的だったのです。
しかし今回で言えば、ボートの海賊を一気に拳銃で全員撃ち倒したシーンと、捕虜で賭けをしていた政府軍の軍人を得意の弓矢で次々と撃ち倒したシーン、この2つは非常に魅力的で興奮させられたのですが、中盤以降はそんなシーンが全く登場しなかったのが不満でした。
僕はてっきり、救出した捕虜と共に脱出する中で、追っ手を数少ない武器やトラップを使って一人また一人と倒していくのだろうと思って、それを期待して待っていたのですが。
ちょうど、1作目の「ランボー」の前半、森の中に逃げ込んだランボーを追う警官たちをトラップとナイフだけで次々と打ち倒して行くシーンのように。
ところが、肝心のクライマックスの戦いでは、ジープに搭載したマシンガンを奪って傍若無人にバッタバッタと兵士をなぎ倒すだけの大雑把でザツな戦い方だけであり、ランボーの特殊技術を使った唸らせられるような技法は全く無かったのです。
「ランボー」と言うよりも、その後に作られたB級の「ランボー者」(STEEL JUSTICE:1987)のラストの傍若無人な爆笑銃撃シーンを思い出してしましました(^_^;)
ま、リアルな銃撃にはなっていたので、笑うって程ではありませんでしたけど・・・
ただ、後半では唯一、第二次世界大戦当時のイギリス軍の爆弾にクレイモア(対人兵器)をトラップで仕掛けて、追っ手のグループ全体を森ごと吹っ飛ばすシーンってのが、ド派手でスカッとさせてくれたので好きでしたが(^^)
そうだなぁ・・・この後にも、ランボーの手製のトラップとナイフ攻撃で一人一人で倒して行けば、もっともっと面白くなって行ったはずなんですけどねぇ。
せめて、途中で使った弓矢だけでも使って欲しかった気がしますね。
脇役では、スナイパーを演じたスクール・ボーイがピカイチで光っていましたね。
最初は軽く扱われていた感じですが、襲撃シーンでのスナイパー・ライフルの使い方の見事さで一気に惚れ込み、脱出時に他の仲間が「時間だ」とばかりにランボーを見捨てて脱出して行くのに対し、スクール・ボーイのみが残ってて、危機に直面したランボーとサラを救うシーンは「やるねぇ」とニンマリしてきました。
あとは、傭兵のリーダー的存在のハゲ頭の人も、最初からランボーに嫌味を効かせていて印象深いのですが、キャラとしてはもう少し見せ場を増やした方が良かった気がします。
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