「ブラック・セプテンバー ミュンヘン・テロ事件の真実」感想(DVD)
「ブラック・セプテンバー ミュンヘン・テロ事件の真実」感想(DVD)
(ONE DAY IN SEPTEMBER:1999)
(監督)ケヴィン・マクドナルド
(ナレーション)マイケル・ダグラス
面白度 :8点/10点
お薦め度:5点/10点
ドキュメンタリー「ブラック・セプテンバー ミュンヘン・テロ事件の真実」をレンタルDVDで観ました。
この映画、1972年のミュンヘン・オリンピックで起きたテロ事件を、当時のニュース・フィルムや現存者のインタビューを交えて描いたドキュメンタリーです。
もともと、事件の詳細を知らずに観たスティーブン・スピルバーグ監督の「ミュンヘン」(MUNICH:2005)が非常に素晴らしかったので、その事件の背景を描いた作品を観たいと思って本作を観たわけです。
1時間程度の作品ですが、非常にコンパクトにまとめられていて、事件そのものの発生から終了までを分かりやすく描いてあったと思います。
その当時のオリンピックの雰囲気も良く出ていたし、事件の終盤の悲劇的な終わり方も背筋が寒くなる感じで、観ていてゾクゾクしました。
ただし、当時のイスラエルとパレスチナの問題に関しては全く描かれておらず、観る側が常識として「知っているもの」としてミュンヘン・オリンピックからいきなり始まるので、背景を知らない人には理解しにくい部分もあるかな?と思います。
また、ボカシはありますが、死体が多く映るので、その点も含めてお薦め度は低めの5点としました。
※以下、ネタバレがあります。
さて、パレスチナ・ゲリラ「黒い九月」がミュンヘン・オリンピックの選手村に潜入して、イスラエルの選手を人質に同胞の解放を要求したこの事件は、当初から2人の死者を出して展開します。
その後、テロリスト側の期限を延ばしながら、夜になって逃亡用の飛行機が待つ空港までテロリストと人質を乗せた複数のヘリコプターが向かいます。
ドイツ政府としてはその空港で決着を付けるべく、警察から集めた狙撃手を空港に配備して備えるのですが、連携の不備や訓練された対テロリスト部隊ではなかった点など幾つもの不幸な点が重なって、最終的に人質は全員死亡、テロリスト側が3人生き残るとの、当局側の「惨敗」で終わるわけです。
生き残ったテロリスト3人は、別のハイジャック事件で犯人側の開放要求によりリビアに脱出するのですが、映画「ミュンヘン」で描かれたイスラエル側の激烈な報復行動により、2人が殺されることとなります。
最後に1人が生き残るわけですが、本作には顔を伏せられたこの生き残りの1人が証言者として登場します。
はてさて、非常に緊迫した展開の中、当局は当然ながらテロリストの要求である「同胞の解放」を受け入れず、空港への移送もテロリストの要求を受け入れたようにウソをついていたわけです。
さりとて空港での狙撃手に関しても、軍隊を使えないとの理由から、警察からメンバーを集めるわけですが、現在のように対テロ用に訓練された専門部隊ではなく、さらには狙撃専門の銃を持っていない狙撃手すらいたそうです。
また、実際にヘリが着陸したあとでも、先に飛行機に乗ってきたリーダーたちを攻撃してから残りのテロリストを狙撃する手順になっていたのに、寸前になって、飛行機で待機している警察官たちが乗機してきたリーダーたちへの攻撃を断念。
それを、連絡手段を持たない狙撃手たちは攻撃を開始して、現場は大混乱状態になる。
自体が混沌とする中、応援で駆けつけた装甲車のメンバーは、誤って仲間の狙撃手を攻撃して重傷を負わせてしまう。
当時、イスラエルから特殊部隊を送り込みたいとの打診もあったが、ドイツ政府側はこれを拒否。
さりとて、ドイツ軍やドイツ警察に特殊訓練を受けた部隊もいず、現場の連携ミスも重なって、事件は悲劇的な結末に終わるわけです。
この手痛い失敗の経験を受けて、ドイツは連邦警察局内に「GSG-9」と呼ばれる対テロ特殊部隊が作られました。
結局は、組織だった作戦と展開が必要だった緊迫した状況の中で、それなりに狙撃の手腕が立つメンバーを集めたのでしょうが、普段から訓練をつんでいるわけではない寄せ集めのメンバーで作戦を行った事が失敗の最大の要因だったようです。
また事件発生当初、IOC側がオリンピックの競技を止めずに続行していた点も驚かされます。
その後の展開により、ついにIOCも競技を一旦中止するのですが・・・
先般行われた中国での北京オリンピックでも、その開催前から国内の不穏なテロ事件がオリンピック開催に陰を落としていました。
開催期間中に何か大事件が発生するのではないかな?と危惧されたのですが、もし、北京でテロ事件が発生していれば競技は中止されたのだろうか?と疑問に思います。
事件そのものと関係はありませんが、ミュンヘン・オリンピックが開催された72年ってのは、僕が6歳頃の出来事です。
事件そのものは全く記憶に無いのですが(^_^;)、本作を観ているとオリンピックを捉えた当時の映像が、非常に懐かしく感じられます。
選手や観客のファッションもそうですが、オリンピックの関係者が着ているユニフォームの雰囲気など、その2年前に日本で開催された万博での様子に非常に似たものを感じて、僕の記憶にかぶってくるものがありました。
一部モノクロとカラーが使われているのですが、特にカラーの映像は非常にビビッドであり、僕の記憶がくっきりと蘇る要因ともなっていました。
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